【放置車】クラッチの張り付きは分解が無難【整備】

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こんにちは〈KAZ〉です。

今回はめずらしく整備します。Z1Rのね。

普段停めてるときとかでもマニュアルミッション車はクラッチが繋がっている状態になってます。勿論ギアが入ってる、入ってないにかかわらずです。
これが長期放置車ですとクラッチを切る(レバーを握っても)クラッチプレートとフリクションプレートがうまく離れずクラッチが切れない状態になってしまいます。俗に言う張り付きですね。

乾式はなりません。あくまで湿式多板のみの症状です。
乾式で切れなくなるのはクラッチプレートの変形ひずみとかクラッチハブ、ボスの段付き摩耗とかです。
放置でなるのは湿式多板クラッチ採用している車両だけです。
ちなみに湿式多板クラッチとはクラッチ機構がエンジンオイルに浸かっているものをいいます。

一応この張り付き対策で止めているときはクラッチレバーをゴムやバンドで握らせておく方法があります。
あと張り付いてしまったらフロントタイヤを壁等にあてバイクが前に進まないようにしてギアを入れて無理やり張り付きを剥がすという荒技もありますがあまりお勧めしません。
特にカワサキはポジティブニュートラルファインダーって機構のせいでニュートラルからいきなり2速に入りません。
なので張り付いた状態でいきなり1速に入れなければならないので結構な衝撃です。
ミッションにもあまりよくないですしクラッチのフリクションプレートが割れたものもみたことがあります。

なので今回はさらっとバラして手で張り付きを剥がそうと思います。

ではGO

とりあえずジャッキアップ

ジャッキアップすることでエンジンオイルをサイドスタンド側によせてクラッチカバーを外してもオイルが出てこないようにします。
オイル窓からオイル量を覗いて必要以上にジャッキアップしないようにしてください。
この時、車両のディメンションにもよりますが前後どちらかのホイールが浮きますので注意してください。
リアが浮いてるのであればフロントブレーキをバンド等で握らせておくといいです。
フロントが浮いてる場合はよほど変なことしない限り倒れません。気になる方は輪留めをしておきましょう。
あくまでここで紹介してるのは作業リフトがない場合だからね。リフトある人はリフトに乗せてタイダウンベルトで固定してね。

ボルトを全部外してプラスチックハンマー等で軽くコンコンするとあっさり外れます。
Zはノックピンが入ってないのでその点は楽です。

出てきた出てきた。

古いガスケット剥がし

基本ガスケットは分解の都度交換が望ましいです。僕のはきれいに残ったのでたぶんこのままでもオイル漏れしないと思います。がガスケットも用意してるんで剥がします。

ガスケットを手で剥がします。

ま、こうなるよね。

そこで

こいつらの出番です。

スーッと剥がれます。スクレイパーは指が切れるほど鋭くなければこうはいきません。扱いには注意してください。

だいだいOKですね。

クラッチ分解

出てきましたね。フリクションプレートが最初ですね。

つづいてクラッチプレートですね。当たり前ですが後はフリクション、クラッチプレートの順で入ってます。

でたーーーー!!!!

これが張り着きです。

わかりますかね?フリクションプレートとクラッチプレートがぴったりくっついてます。

剥がし方はマイナスドライバー等で軽くこじてやるだけであっさりとれます。ぺりっと剥がれます。
がこれが分解じゃなく最初話した荒技では何回やっても剥がれないときは剥がれないんすよ。まじで。

余談ですが分解が進むと両プレートとも奥から引っ張り出すことになりますんでクラッチハブに開いてる穴をうまく使って指で引っ張り出しつつ、、、

ある程度でてきたらマイナスドライバー等をうまく使って取り出しましょう。

クラッチプレート7枚。フリクションプレート8枚。
思ったより張り付いてなかったですね。

オイル漏れしないように

オイルストーンで研磨します。この時磨く面とオイルストーンは面と面で研磨するようにして下さい。
点や線で研磨してしまうとオイル漏れの原因になります。あと金属面がシミみたいになってるからといってそのシミを集中的に研磨するのもやめましょう。
あくまで全体的に均一を心がけてください。オイルストーンって思ったより削れるんですよ。

 

オッケーですね。

クラッチ組付け

バラした反対の手順なんですが余談を1つ2つ...

クラッチプレートは角が立ってる方がエンジン側で角が丸いほうがクラッチカバー側です。

今回はフリクションプレートはそのままなんですが、新品に交換する際は組付け時にエンジンオイルを塗って下さい。
割とべったり塗って構いません。乾式は塗ったらダメよ。湿式だからね。湿式。

基本ですがボルトはどの部位にかかわらず最初は手締めです。手締め基本。

ボルトは対角線上に均一に。基本基本。

ガスケット

ガスケットなんですが

リチウム系のグリスを塗布します。これをやっておくと次回が少し楽です。
これを塗ることによってオイルが漏れるということは絶対ありません。
もし漏れるのであれば別の原因なんで安心して塗布してください。

グリスのおかげでノックピンがなくても位置決めが楽です。
あ、言い忘れましたがクランクケースの合い面のところには液体ガスケットを薄く塗布するのも良いですね。
今回僕はやってませんけど。

手締め手締め。

工具で本締め。

完成!!!

今回の俺Z

研磨する面は均一にってこと

ボルトは必ず手締めからってこと

ですね。ご清聴ありがとうございました。〈KAZ〉

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